スマッシュドライヴのクラカワです。

僕にはスマドのVo&Drとしての顔と
音楽プロデューサーとしての顔があるのですが

そのキャリアでの経験やノウハウが
後世のお役に立てると思い、
自身でギター教室を中心に音楽教室『知也塾』を主宰しています。

その教え子の中に東方Projectの曲を
リアレンジしている子が居ます。

今日は彼や東方Projectからクラカワが感じたことについて
いろいろとお話をしていきたいと思います。

東方ってそもそも何?

東方Project from ピクシブ
ZUNが個人で運営する同人サークル「上海アリス幻樂団」が製作している同人作品群の総称。
1996年より発表された「東方○○」というタイトルの弾幕系同人シューティングゲームを中心に、同人音楽CD、ZUN原作による漫画作品も展開されている。
一般的に、『東方』や『東方シリーズ』と呼ばれる。
※ピクシブ百科事典より

実は、僕もこの辺にはかなり疎くて、
その生徒さんが東方楽曲のリメイクをしてなければ
知り得なかったであろう世界なんですね。

僕の時代というのは『同人』や『オタク』というのは
割とネガティヴな意味合いで使われていたのですが、

今ではかなりポップな意味で使われて居て、
若い世代の子達の風潮として

「俺、オタクなんだよね」

と表立って言う事が逆にカッコイイという
認識に変わって行ってるんですね。

当時僕はSweetestRecordsをやっていて
正直、初めは全く理解が出来なかったんですよ。

で、その彼との出逢いで
東方や現代のアニメ同人シーンについて知り、
世の中の流れが大きく変わった事に気づくんですね。

インターネットがもたらしたオタク文化への恩恵

スマド最年少でベーシストの
メンバー『しほさま』にもその兆候はあって。

彼女もマンガ・アニメについて相当好きな人で。

ただ、僕にとっては『単なるアニメ好き』と言うよりも
腐女子』的に写るのだけど
周囲の方からすると現代的に割と一般的な感じらしく。。。

色々分析してみても、
間違いなくインターネットが普及してから
こういう流れになってきたのは間違いなくて。

彼は、しほさまより更に年下なので
よりその兆候が見えるんですよね。

マイノリティがネットで市民権を得はじめた

インターネット黎明期の時に
mixiが日本を席巻した事があった時、

割とゲイの方々がいっぱい参加されて居て
その時はまだ「そういう方々なんだ」という
奇異の目で見られる事が少なくなかったんです。

でも、今では同性愛の方やオネェ系の方とかが
テレビ番組とかも普通に出れたりしたり。

昔では考えにくかったですが、
性同一性障害の方がカミングアウトしても
違和感がない世の中になって来てたりして。

これって誰かが勝手に定めた

『一般常識』『マジョリティ』

というものの認識が急激に
変化して行ってるんだと思うんですね。

東方や若い世代が教えてくれる大事なこと

で、東方に話を戻します(笑

僕はその彼の第一作品から僕が関わって居るのですが
なんと当時、彼はエレキギター初心者。

「東方のリメイクするのが夢」

的な事を聞いた僕は
当然、彼の背中を押しまくるワケです。
(相当に暑苦しかったと思います。)

さすがに当時学生だった彼から
通常のギャラ数十万とか取れないので

口外無用の約束でレッスン内で
プロデュースやミキシング・マスタリングまで
全完パケしてたんです。
(もういいよね、バラしてもw)

結局のところ通い始めて3か月後に
東方リメイクの音源出しちゃうというスピード感(笑

実は、それが思った以上に売れるんですよ。

僕からしたらそれが相当にショッキングで。

普通、バンドシーンで考えたら
初心者さんの音源とかやっぱり無料配布だし、
無料配布しても聴いてもらえないことなんてザラ。

でも、『東方』という同じ『好き』の元に集まってくると
初心者だろうが値段がついてようが売れる。

僕からしたら相当にカルチャーショック。

そして大反省。

音楽を生業として来たことが長かった為に
大事なコトを忘れて居たな、と。

なんか随分、薄汚れてしまったな、と。

ここで僕が思うのは、
「『好き』は正義なんだな」って。

今の音楽業界の在り方についても

「それじゃあCDも売れなくなるよ、と。」

音楽業界に居る人も、
元はと言えば単なる『音楽好き』で
その業界に入ったと思うんだけど

なんかやっぱり
資本主義的な採算ベース思考が最優先になって
みんな『楽しんで』ないと思うんだよね。

そんな人たちが創ったものに
ファンは共感・共鳴するのだろうか。

今、音楽シーンを見てみると元気なのって
アニメタイアップのアニソン
AKBさんやジャニーズさん等のアイドルなどなど。。。

『オタク』的マイノリティなど
『局地的』にエッヂが立ってるものが
マジョリティを牽引してっている感が否めないでしょう。

実際、現在の資本主義経済の状況を見れば
何が人間にとって自然で大事なものなのか
それが見えてくると思うんですよ。

やっぱり、『楽しいは正義』。

確かにお金は大事だけど
人生楽しんでる人に人はついて行くんだと
僕は思うんですよね。

スマッシュドライヴ 
Vo&Dr クラカワ トモヤ